聖なる谷

聖なる谷をめぐるゾ

旅行会社にごり押しをしてプライベートバン＆ガイドさんを手配

ピサック → カルカ → ユカイ → オリャンタイタンボ → マライをまわってもらってマチュピチュ行きの電車へ

という予定だったが　電車のチケットがとれなかったためマライの塩田はいけず仕舞だったけれど

インカを理解する上での基本情報をたくさん教えてくれたので　一部大公開～☆

注：走り書きメモを参考にしているため情報間違いがあってもあしからず m(_ _)m

聖なる谷の水源はアンデスからの雪解け水

注： 3300mという高所にもかかわらず　クスコに雪はほとんどふらない　前回は5年前に降ったっきりらしい

雪解け水が尾根の村々を潤し　ウルバンバ川へと流れ込み　やがてアマゾンへ

土砂崩れから建物や田畑を守るため 段々畑 が発達

標高の高い所ではじゃがいも・キヌア　低い所ではトウモロコシ・コカを栽培

尾根をつたわる水が段々畑の各テラスにいきわたるよう　灌漑＆上下水システム を整備

水はインカの町づくりや身分制度にも大きな影響をあたえ

身分の高いものは高地・よりきれいな水のそばに　低いものは低地に

聖なる谷やマチュピチュに見られる風景はアンデスの水と人間との戦いの跡
スペイン色が強くなりすぎたクスコとは対照的に　聖なる谷では今でもインカ時代の水路や道路が現役

聖なる谷では遺跡とともに人々がくらしています♪

クスコを含む聖なる谷はラグーン（沼地）の上につくられた町

ゆえに地盤がゆるく　大きく高い建物は建てられない

斜面などを利用して数階建になっているものもあるが多くの建物は１階建て

建材は山から切り出多くの建物は１階建てした岩と　土に草をまぜて天日ぼしにした煉瓦

神殿や位の高い人の住居は 加工度の高い岩を♂♀組み上げる　モルタルは一切つかわれない

かみそりの刃も通さないというのは　↑の工法で建てられたもの　全部の建物ではないというのがポイント

インカで突然うまれた技術ではなく　ナスカまでいって技をぬすんできたらしい

一方　庶民用や倉庫は ごつごつのままの岩 や 日干煉瓦 を使用するため　モルタルが必須

モルタルの原料は自然泥　煉瓦も土　壁から草が生えるのでメンテが必要

石組の精巧さ＆建材 を見れば “だれが住んでいたのか” “建物の用途は何か” が大抵想像がつく

PISAQ

クスコの北東35km（直線距離18km）にあるピサック

このあたりでよく見られるヤマウズラ “Písaca” に由来するインカの町

スペインの征服者・ピサロに由来するという説もあるが↑の説が有力

ピサック遺跡といえば山の斜面全体に広がる美しい段々畑（もちろん今も現役）

段々畑は羽を休めたヤマウズラ（コンドル説もあり）を象ったらしいが・・・！？

マチュピチュと同じく　皇帝パチャクテク のための別荘地として建設

こんな山奥の高地を選んだ理由は

①自然の要塞　②太陽信仰（太陽により近いところへ）　③川の氾濫から町を守るため　らしい

④クスコの寒さに耐えかねて　避寒する目的もあったとか

マチュピチュとの大きな共通点は 町づくり

四方を山に囲まれた場所　町の外に広がる段々畑（東向き）　入口に近いところは庶民の居住区

居住区を抜けるとよく磨かれた石組で囲まれた神殿地区　地区ごとにはっきりとした境界線がある

もうひとつは インカの世界観と太陽信仰の融合

太陽が消えないように　太陽をつなぎとめるための石- インティワタナ（インティ：太陽　ワタナ：つなぐ）

原始的な日時計の役割を担っていて　夏至/冬至　春分/秋分を判断していたらしい

マチュピチュのモデルにもなったといわれる遺跡のため　2つを比べながら歩くのも楽しい

遺跡を探検するとアーチをたくさん見かける

アーチは “ここから別の地域にはいりますよ” という門の役割

重要なモニュメントであるため使われる岩は加工度高　表面はつるっつる

内側に 10°ほど傾斜した台形をしているのは強度をあげるため

建物の入口・窓やニッチにも使われているインカの耐震技術

建物にも↑のコンセプトが織り込まれ　入口+アーチで 二重扉 になっているものは

“さらに別の地域へ” “重要な建物（神殿・王の間）の入口”　を示す

アーチの裏側には円筒形に削りだされた窪みや上部に紐をかけるための穴がある

扉がついていたと考えられるが　ドアの取付方法や動き方は想像するしかない

（スケッチ作成中）

プロにインカの扉を想像してもらいました

聖なる谷 ≒ 皇帝パチャクテク

インカは貨幣をもたず　経済活動は 物々交換のみ

創造神ビラコチャ/太陽神インテｨの子孫である王により統治され

“未開のインディオを文明人に導く” 使命をもち

隣国・部族に対して争いを好まず　寛容な態度で帝国を拡大したとされる

9代皇帝として “世界を震撼させる者” パチャクテク が戴冠（初の実在皇帝？）

チチカカ湖への遠征をはじめると　参勤交代のようなシステムで属州を統治・中央集権化をはかる

太陽崇拝 を “国” 教化　もともとあった インカの世界観・土着信仰との融合 がすすむ

太陽の神殿 を建設したのはこのパチャクテク

クスコにあるコリカンチャも　ピサックも　オリャンタイタンボも　マチュピチュも

サクサイワマンの太陽の祭りも・・・　と考えると

たった数十年でいくつ建てたんだ！？　エジプトのラムセスIIばりに　権力誇示の塊か！！？

帝国の大動脈 道路網を整備 したのもパチャクテク

エクアドルのキト～チリのタルカ間5230km　20kmごとに宿場町・タンボを設置　250箇所以上！？

1日に250km進むチャスキ（飛脚）によって　各地の情報の迅速な収集を可能にした

話をもとに戻して ピサック （英語の解説HP）

ガイドさんに連れられ急ぎ足でまわっても約2時間半　遺跡でかっ！

ピサックの目玉はインティワタナがある太陽の神殿・水浴をしたと考えられる水汲場

遺跡から山の斜面を見ると！！？　ぼこぼこと穴らしきものを発見　巣穴？

なんとコレ インカのお墓　3000体の骨がでてきたらしい

断崖絶壁の自然横穴や人工的に掘った穴を利用　雨が多い気候のためミイラ化はしない

・・・よくあっちまで運んだよなぁ　墓参りも大変だよなぁ　飛脚といいインカ人の体力に脱帽

ちなみに強欲スペイン人によりすべて盗掘済　あんたらもよ～やるよ・・・

日干煉瓦+ごつごつ岩+泥モルタルの融合　泥の漆喰が内壁を覆っているのも見える

ピサック村では火・木・日曜日に市が開催　もともと周辺地元民のための物々交換の場

遺跡よりも市ばかりクローズうｐされるため観光地化が激しい

陶器やハンドクラフトなどの民芸品　じゃがいも・野菜・フルーツ　川魚などが並ぶ by ガイドさん

CALCA

すべての生肉は常温放置

ウシの頭はスープにいれて食べるらしい

口から包丁をいれて解体中

下あごの歯が生ナマしっす

“本物の地元民の市がみたい” とリクエスト　ピサックから18km・カルカの町へ到着

観光客なぞめったにふみいれることのない市場　地元民から好奇の凝視あたっく

めげずに足を踏み入れると　季節の野菜・果物・肉・チーズ・クイのえさ　主役はもちろんイモ　市場らしい市場

値札はついていないけれど　ガイドさんも “安い” とお買い物♪

でもけして清潔とはいいがたい市場　管理人夫婦はさすがに控えさせていただきました・・・orz　チーズ食べてみたかったなぁ

クスコ周辺はペルー有数のチーズ生産地

じゃがいもはココアンデスが原産地　どの売場もいも・イモ・芋

様々な品種改良が行われ　色も形も種類豊富

あきらかに違う種類のイモが数十種以上並ぶ

～インカの知恵　じゃがいもの保存術 ～

チューニョ - 凍結乾燥じゃがいも　別名：凍み芋　黒い

夜自然冷凍したじゃがいもを何回も踏みつけ

脱水＆解毒・乾燥させて長期保存を可能にした技術

10年以上腐ることがないといわれている

トゥンタ -寒ざらしじゃがいも　白い

収穫したじゃがいもを野ざらしにして霜をかけ

水にさらしてあく抜きをし　太陽に当てずに踏んで乾燥させる

毒性の強いジャガイモに適している方法

どっちも丸い小石のように見えるが　強烈な臭いを発するものも

基本的に煮込みスープなど火をとおして食べるものだが

こんな臭いもの食えるのか！？

ユカ（キャッサバ）　毒性の強いイモ

解毒には発酵したり　すりおろして焼いたりと工夫が必要

ガイドさんが管理人の名前をすぐ覚えたのは↑のおかげ orz

わたしゃ食えんイモかYO (ノ-_-)ノ ~┻━┻

YUCAY

犬もウマも牛もつながれず自由に町を闊歩　時間がゆったりと流れるユカイ

ユカイはスペイン語で “詐欺”　もともとの名前は町をつくった皇帝にちなんでサウリ・トゥパックと呼ばれていた

パチャクテクの息子・後の10代皇帝が　継承争いをさけるために建設した町

昔ながらの日干煉瓦+イチュ葺屋根（藁葺にそっくり）の家がたちならび　旦那さま大喜び

目の前にとびこんできた赤い畑　管理人の大好物キヌア（Food参照）が栽培されているらしい

赤いのは花　あと数ヶ月で種がつき脱穀したものがあの白い粒になる

ペルーの年間生産高は150トン　アミノ酸・食物繊維・ミネラルを多く含むアンデスの完全食品

キヌア畑　5～8月に収穫される

OLLANTAYTAMBO

駅方面から町の広場にでる前に現れるすごい坂

トゥクトゥクでは上りきれない可能性大

クスコから87km　マチュピチュ行列車の停車駅 オリャンタイタンボ （地図あり）

パチャクテクに仕えた将軍・オヤンタイ＋宿場・タンボ

絶壁に建つパチャクテク統治下に建設された要塞

背後には山　南には高さ3m　幅1.5mの城壁が聳え　よそ者の侵入をゆるさない

急斜面につくられた大きな段々畑も　町の守りを固める役目を担う

①雨と川の恵みをうけられ農業に最適　②堅固な要塞として発展

町のほとんどの機能はスペイン傀儡皇帝・マンコ・インカにより整備

インカ最後のスペイン統治への抵抗を試みたが　夢ついえた

インカの石畳＆石組　細い路地

インカの血をひく地元民の普段着民族衣装とよくあう

ロッカーが見当たらず　かばんをもっての観光 orz

あれっ　インカ時代の壁が2段に！？

（モルタル不使用＋モルタル石組＋現代の壁）

オリャンタイタンボの目玉は10窓の神殿＆太陽の神殿

神殿はこの6枚巨石の壁のみ　つくりかけで放置

そばには切り出した石がころがっている

色が周りの石と明らかに違うため　他所からもちこまれたもの

炉の技術が無く 鉄をもたなかったインカ　当然車輪もない

石を運ぶためにつかったのは木のころ＋てこ＋大量の労働力

なにがココまで人々をつき動かしたのだろうか

町を2つの地区に分けているのはパタカンチャ川（ウルバンバ川支流）

（西）神殿 - 段々畑 - 川 - 居住区 - 貯蔵庫・見張台（東）

段々畑を東に向るために　マチュピチュ・ピサックとは位置関係がやや異なるが

インカの2元思想・住み分けは健在

北側のテラスまで探検にいくとインカの用水路を見ることができる ↑→

サイフォンの原理を利用　年間を通して一定量の水が流れているらしい

タンボを名乗るだけあって　町には食糧庫跡（コルカ）がたくさん残る

インカ道の旅人に食糧を振舞っていたのがうかがえる

対岸山の斜面に残るコルカ　左側には王冠をかぶった神の顔が浮かび上がる

SACSAYHUAMAN

パチャクテクにより着工　80年をかけて完成したといわれる要塞・サクサイワマン

サクサイ = 満腹な・満足した　ワマン = 鷹　由来と遺跡が全く結びつかんゾ

クスコを守る見張台として使われていた可能性が高い（Horse Riding参照）

オリャンタイタンボに逃げる前　スペインへ反旗を翻したマンコ・インカがたて篭もった砦

その時のスペインの攻撃により　見張塔や壁が壊されてしまった上

教会＠クスコの建設のため　しこたま石がもちさられてしまったという悲しい遺跡

上段から5m 7m 9m - 3列の巨大な石群がずら～りと続く　その距離360m！！

ジグザクと曲がりくねった石垣は上から見るとヘビの姿に見えるとか

クスコ周辺に採石できる場所がないことから　どこからこれだけの石がきたのかは謎

運搬方法はコロのみ　何十kmもコロで運んできたということ！！？

エジプトのピラミッドのように平地ならまだしも　山の中でコロ作業とは恐れ入りました m(_ _)m

サクサイワマンの近くの洞窟は　なんとクスコ市街の地下通路へとつながっているらしい

皇帝がいざというときに避難した秘密通路だったのだろうか　ロマサガ・・。

見よ　この石のでかさ

毎年6月に太陽の祭り “インティライミ” が開催

インカの儀式に則りリャマの生贄も神に捧げられる

クスコを訪れるほとんどの観光客がサクサイワマンに立ち寄るため観光バスがひっきりなしに出入りする　おかげで被写体仕事人もいっぱい

サクサイワマンを見下ろせる丘に登ると　リャマやアルパカが放牧されている　おさわりOK

白いキリスト像＠クリスト・ブランコの丘までいくとクスコの町全体が見渡せる（クスコ参照）